みかわち焼き

染付秋草文徳利 そめつけあきくさもんとっくり

高26.4cm 胴径14.7cm 江戸時代中期 [佐世保市蔵]

竹垣と一緒に野菊、萩、芒(すすき)が、淡い呉須絵の具によって細かく描かれている。全体がやわらかくまた黄色の印象があるのは、原料が網代陶石と天草陶石の混合によると考えられる。焼成では還元が弱く酸化気味になったと考えられる。

時代は江戸中期(18世紀前半)の作品と推定される。その理由の一つは、花びらなどが雑ながらもそれなりのていねいさをもって描かれていることである。組んだ竹に秋草文を合わせた柄は18世紀前半から登場してきたモチーフと考えられる。自然の草木を写生して描いたのではなく、日本画の絵柄をさらにデザイン化して描いたのだろう。

形では、同時代に有田地方でも大型の徳利がつくられていたが、白地に細い線の染付がみかわち焼らしい。一升入る程度の大きさだが、一升もの液体を入れると重いため、置物として用いられたと思われる。

江戸時代前期〜後期(17世紀〜19世紀前半)

江戸時代末期から明治前期(19世紀半ば〜後半)

明治から昭和初期(20世紀)