菊彫文鎮 きくほりぶんちん
高3.2cm 幅16.1cm 明治時代
[佐世保市蔵]
立体的な菊の花が目を惹く。粘土を竹ベラで花びらの形に切り起こした菊の花を個別につくった上で、長方体につける。高火度の焼成によって形がへたることを計算して、成形時の花びらは立ち上がりを強くしておく。壺などに貼り付けたタイプの菊と異なり、花びらが三角ではなく曲線で切られている。
花とつぼみが白磁、葉が瑠璃釉。文鎮の長方体の上の面に釉が均一に掛かっているのは、成形の時点で釉が溜まるために中央部を少し窪ませたとも考えられる。上面はみずみずしさすら感じさせる。