みかわち焼き

染付桜花文皿 そめつけおうかもんさら

高4.7cm 径15.7cm 江戸時代後期 [佐世保市蔵]

重ねると縁の部分だけが外側に出る、合理的な意匠の皿。
 ロクロでひいて型打ちされており、絵付は18世紀初頭の有田・南川原にも似て、形はかなり独特である。中国から伝わった碗形がみかわち焼で消化され、かなり独創的につくられたとも考えることができる。流水に桜という文様のパターンは有田に多く見られることと、輪郭をとり、濃くて太い筆の濃みから世の中に流通したものも多くは有田と捉えられてきたのではないだろうか。

縁に唐草が施されたところを見ても、有田産の可能性についても検討の余地が多分にある。

なお、碗は口縁部近くが膨らんだ、特徴ある蓋つきの茶碗。高台には「宝暦9年」、1760年。銘はおそらく当時のものであろう。この時期につくられたとすれば、桜花に流水の文様のものは、江戸時代後期の作となる。

江戸時代前期〜後期(17世紀〜19世紀前半)

江戸時代末期から明治前期(19世紀半ば〜後半)

明治から昭和初期(20世紀)